2023年11月02日
Q:司法書士の先生、私の遺産相続において離婚した前妻は相続人になりますか?(鹿児島)
私は鹿児島に住む60代男性です。最近付き合いの長い友人が亡くなったこともあり、私の遺産相続について考えるようになりました。
私には内縁の妻がおり、鹿児島で同居し始めてから6年ほどになります。内縁の妻と暮らし始める前は別の女性と婚姻関係にありました。現在は離婚が成立しており、前妻は今も鹿児島に暮らしているはずです。前妻とは子宝に恵まれることなく離婚いたしました。内縁の妻とも子をもうけるつもりはありませんので、私には子がいないことになります。
私に万が一のことがあり遺産相続が生じた場合、私の相続財産は誰が受け継ぐことになるのかがわかりません。私としては相続財産は内縁の妻に受け継いでほしいと考えていますが、私の遺産相続において相続人になるのは前妻なのでしょうか?(鹿児島)
A:ご相談者様の遺産相続の場合、離婚が成立している前妻の方は相続人に該当しません。
ご相談者様の遺産相続において、まず鹿児島に暮らす前妻の方は離婚が成立しているとのことですので、相続人には該当しません。そして前妻の方との間にお子様はいらっしゃらないことから、前妻の方の関係者にも遺産相続の権利をもつ人物はいないということになります。
次に鹿児島で同居されている内縁の奥様ですが、残念ながら内縁の関係ですと遺産相続の権利はありません。法的に遺産相続の権利を有する人物、これを法定相続人といいますが、法定相続人となれる人物およびその相続順位は以下のように明確に定められています。
【相続順位】※配偶者は常に相続人となります。
第一順位 |
子、孫 |
直系卑属 |
第二順位 |
父母 |
直系尊属 |
第三順位 |
兄弟姉妹 |
傍系血族 |
第一順位の方が存在する場合、第二順位以降の方には遺産相続の権利がありません。上位順位の人が存在しない・死亡している・相続放棄をした場合に、下位順位の方に相続権が移ります。
今回の鹿児島のご相談者様はご自身の遺産相続の際、内縁の奥様に財産を渡したいというご意向ですので、生前対策として遺言書を作成することをおすすめいたします。遺言書の中で内縁の奥様への遺贈の意思を主張しておき、より確実に遺言内容を実現させるために信頼のおける方を遺言執行者に指定しておくとよいでしょう。このような場合は遺言書を公正証書遺言にて作成しておくと、形式不備による遺言書の無効や第三者による改ざんを防げるのでおすすめです。
先ほどの法定相続人の相続順位に該当する人物がおらず、生前対策をしないままご相談者様が逝去された場合、内縁の奥様が「特別縁故者への財産分与制度」の利用によってご相談者様の財産の一部を受け取れるかもしれません。しかしながら、内縁の奥様がこの制度利用のため家庭裁判所へ申し立てたとしても、それが認められなければ内縁の奥様は財産を受け取ることができませんので、やはり遺言書を作成しておく方が安心です。
鹿児島にお住まいでご自身の遺産相続について不安がある方は、鹿児島みらいず相続遺言相談センターへご相談ください。鹿児島の皆様のご状況に合わせた最善の生前対策プランをご提案させていただきます。またすでに発生している相続においてお困りごとがある方も鹿児島みらいず相続遺言相談センターへお任せください。初回無料相談にて、鹿児島の皆様とお会いできるのを心よりお待ちしております。
2023年10月03日
Q:認知症の母がいる場合の遺産相続手続きの進め方について司法書士の方に伺います。(鹿児島)
父の遺産相続で相続人である母が認知症のため困っています。私の両親は鹿児島の実家で暮らしていましたが、母は認知症のため主に父が介護をし、週に数回ヘルパーさんが来ていたようです。私は仕事の関係で鹿児島には住んでいないため、介護は父とヘルパーさんにまかせっきりでした。そんな父が先日鹿児島市内の病院で急逝しました。遺産相続人にあたるのは母と私で、父の遺産は、鹿児島にある自宅と預貯金が1000万円ほどでした。遺産相続手続きを行う準備は出来ていますが、母とは遺産相続の相談はもちろんのこと、手続きについても相談することが出来ないため、今後遺産相続手続きはどうしたらいいでしょうか。母の認知症の症状は中程度で、署名や押印は誰かが手伝わないとできないと思われます。私が母の手を取って判を押すことが許されればいいのですが、このような場合の遺産相続について教えてください。(鹿児島)
A:判断能力が不十分な方が相続人にいる場合の遺産相続手続きは、成年後見人に代行してもらう方法があります。
まず最初に、認知症等により判断能力が不十分な方は、法律行為となる遺産相続手続きのひとつ「遺産分割協議」に参加することはできません。ご家族だからと認知症の方に代わって署名や押印をする等の遺産相続手続きを行なうと違法となってしまいます。認知症等によって判断能力が不十分とされる方が相続人にいる場合の遺産相続手続きは、成年後見制度を利用する方法があります。
認知症、知的障害、精神障害などで意思能力が不十分な方を保護するために成年後見制度が設けられています。その内容としては、民法で定められた一定の者が家庭裁判所に申立てを行い、成年後見人という代理人を定め、その成年後見人に遺産分割を代理してもらい遺産分割を成立させるというものです。
家庭裁判所が成年後見人に相応しい人物を選任します。成年後見人には、親族が選任されるだけでなく、専門家が成年後見人となる場合や複数の成年後見人が選任される場合もあります。なお、以下の者は成年後見人にはなれません。
- 未成年者
- 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
- 破産者
- 本人に対して訴訟をした又はしている人、その配偶者、その直系血族
- 行方の知れない者
成年後見制度を利用する場合、注意していただきたいことがあります。一度成年後見人が選任されると、遺産分割協議後も成年後見制度の利用が継続することになります。専門家が成年後見人となった場合、お母さまが亡くなられるまでその費用が掛かることになりますので、今回の遺産相続のためだけではなく、お母様の今後の生活にも必要かどうかしっかりとご検討ください。
鹿児島みらいず相続遺言相談センターは、遺産相続手続きの専門家として、鹿児島エリアの皆様をはじめ、鹿児島周辺の皆様から多くのご相談、ご依頼をいただいております。
鹿児島みらいず相続遺言相談センターでは、ご依頼いただいた皆様の遺産相続手続きについて、鹿児島の地域事情に詳しい行政書士ならびに司法書士が親身になってサポートさせていただきます。まずは鹿児島みらいず相続遺言相談センターの初回無料相談をご利用のうえ、お気軽にご相談ください。鹿児島みらいず相続遺言相談センターのスタッフ一同、鹿児島の皆様、ならびに鹿児島で遺産相続手続きができる事務所をお探しの皆様からのご連絡を心よりお待ち申し上げます。
2023年09月04日
Q:遺産相続手続きに必要な戸籍について司法書士の先生に伺います。(鹿児島)
初めまして、私は鹿児島出身で現在は幼少期に父の転勤で住んでいた大阪に住む50代の会社員です。先日鹿児島の実家に住む父が亡くなりました。私には他に家族はいません。今は父の葬儀と遺産相続手続きをおこなうため鹿児島に久しぶりに行き、私一人で遺産相続手続きを進めていますが、昨日父の口座の件で預貯金のある銀行へ行ったところ、あらかじめ準備しておいた父の戸籍と私の戸籍だけでは足りないと言われてしまいました。これ以外に戸籍ってあるんですか?必要な戸籍について教えてください。(鹿児島)
A:遺産相続手続きの際は故人の出生から死亡までの戸籍を用意します。
普段生活をされていて戸籍が必要となる機会はそうないかと思います。戸籍は数種類あり、遺産相続手続きでは下記のような戸籍が必要になります。
・ 被相続人の出生から死亡まで籍を置いた全地域の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
・ 相続人全員の現在の戸籍謄本
まず、戸籍の持つ役割についてご説明します。戸籍には、お父様の出生について(いつ誰と誰の間に生まれた子か)、兄弟は何人か、誰と結婚して子供が何人いるか、いつ亡くなったかといった記録が記載されています。戸籍からお父様が亡くなった時点での配偶者の有無や他に子供がいるかどうか等を確認します。このことは、ご相談者様以外にも相続人がいるかどうかの確認のためとても重要となります。
次に戸籍の取り寄せ方をお伝えします。戸籍はお父様が生前に籍を置いたすべての地域のものが必要となるため、各地域の役所で収集します。ご相談者様は現在、「幼少期にお父様の転勤で住んだことのある大阪に住んでいる」とおっしゃっているため、お父様は少なくとも大阪にも籍を置いたことがあると思われます。戸籍をたどっていけば全地域が判明するはずです。
戸籍の取り寄せですが、役所が遠くて直接出向くことが難しいという場合には、ホームページからの請求ならびに郵便での請求と取り寄せが可能ですので、対象地域のホームページ等でご確認ください。
全ての戸籍謄本を揃えるには多くの時間を要する可能性があります。また、他の遺産相続手続きにも予想以上の時間と手間がかかる恐れがあるため、遺産相続手続きに時間の取れない方やそもそも面倒な手続きをしたくないという方は遺産相続の専門家にご相談されることをおすすめします。
鹿児島みらいず相続遺言相談センターは、遺産相続手続きの専門家として、鹿児島エリアの皆様をはじめ、鹿児島周辺の皆様から多くのご相談、ご依頼をいただいております。
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